図書館で可能、但し制限あり
ゼンリンが発行している、通常の住宅用地図に「公図」を重ね合わせたブルーマップ。
地番、用途地域名、容積率、建ぺい率といった不動産管理に欠かせない情報が一つにまとめられ、非常に便利な一冊ですが、一冊の値段が非常に高価なのがネックです。また、通常の住宅地図のように手軽にコピーするサービスもありません。あくまでも不動産業者など、法人向けの商品のため、致し方ないとは言えますが、どうしてもというときに使えるのが、図書館でのコピーサービスです。その利用方法と注意点を説明します。また、業者向けの専用ソフト、ZENRIN GISパッケージについても紹介します。
図書館でコピーする
図書館では所蔵されている本のコピーをすることが出来ます。ただし、以下の点を留意する必要があります。
公立図書館などでコピーする場合の条件
1.「営利」を目的としないコピーであること。個人の調査・研究のためであること。
2.コピー行為の主体が図書館であること。(事前に申し込みを行う)
3.一人につき1部であること。
4.コピーできるのは著作物の一部分。(1著作物の2分の1以下とされています)
5.地図の場合は見開き2ページ分が一つの著作物とされているため、その半分、つまり見開きのうち1ページ分しかコピーできません。
6.資料の保存状態が悪い場合などコピーができないこともあります。
7.指定された料金がかかります。
見開きの半分はコピー出来ない
注意しなければならないのは、上記の「5」番です。通常の書物でしたら、総ページの半分以下となるのですが、地図の場合、見開きで一つの著作物として扱われるため、地図の半分しかコピー出来ないことになります。そうなると、必要な部分が半分のみの場合なら問題ないですが、左右にまたがっている場合は、コピーしても全く意味のないものになってしまいます。
図書館により、所蔵しているブルーマップのエリアが異なる
地域の小規模図書館では、ブルーマップをそもそも収蔵していないこともありますが、市立や県立のある程度の規模の図書館ではブルーマップが入っていることが多いです。ただし、全国の分は置いておらず、その地域に対応する冊子のみとなっています。
もし、全国のブルーマップを調べる必要がある場合は、国会図書館に行く必要があります。国会図書館では、最新の全てのブルーマップが揃っています。
法務局ではコピー出来ない
ブルーマップが用意されている公的な機関として法務局があります。法務局で登記情報などを申請するとき、この地番が必要で、それを調べるために法務局にはブルーマップが置かれています。
ただし、その法務局の管轄エリアのブルーマップのみしか置かれておらず、さらにコピーも出来なくなっていますので注意が必要です。
住宅地図コンビニプリントサービス
このように、ブルーマップは簡単に印刷する手段がありません。しかしながら、私たちが普段の生活で必要情報は、せいぜい地番くらいで (住所の地番についての調べ方は前の記事で紹介していますので、チェックしてみてください) 、通常ならば住宅地図で事足ります。ここでは住宅地図のプリントサービスを説明します。
近所のコンビニでお手軽コピー
全国のコンビニのマルチコピー機で印刷することの出来る「ゼンリン住宅地図プリントサービス」をご存じですか。2019年現在、全国のセブンイレブン・ローソン・ファミリーマート(いずれも一部店舗除く)で提供されており、いつでも住宅地図を簡単に入手することが可能になっています。値段は1枚300円、印刷対象エリアは自由に選択できます。印刷範囲はおよそ、縦380m、横610mで縮尺の変更は出来ません。また、一部印刷に対応していない地域もありますので、事前に確認してください。
【出力対象エリア】https://www.zenrin.co.jp/product/gis/area/index.html
プロフェッショナルのために、ZENRIN GISパッケージ
GISとはあまり聞きなれない言葉ですが、地理情報システム(Geographic Information Systems)の略で、地図にさまざまなデータを重ね合わせて表示するシステムのことです。
地図上に文字や数字、画像などを重ね、データに基づいた検索や分析、シミュレーションなどが可能になります。顧客情報管理や、行政サービスを始めとして、あらゆるシーンで活用されています。なお、いずれも法人向けの商品であり、商品は購入に制限があるものもあります。
この中に、ブルーマップと同様に公図番号・用途地域名・容積率・建ぺい率や、地価公示、固定資産税路線価など、不動産管理に欠かせない様々なデータが盛り込まれています。
詳細は以下のページをご確認下さい。
値段は高いが、業務効率化を支援
ZENRIN GISパッケージでは様々な情報をワンストップで確認できるコンテンツ・機能が用意されてます。低コストで業務の効率化をサポートする業者専用アプリケーションです。
土地・物件調査の業務負荷を大幅削減できます。例えばZENRIN GISパッケージ不動産は一か月、1都道府県ごとに10000円と、個人には全く手の届かない金額設定ですが、多くの業者に使用されています。
ZENRIN GISパッケージ不動産で出来ること
・検索機能(ワード検索・表札検索・地図帳検索・一覧検索・範囲検索)
・地番検索機能
・印刷機能
・計測機能(ルート・距離・多角形)
・図形描画機能:一時保存(折れ線・多角形・アイコン)
・重ね合わせ機能(ブルーマップ・用途地域・地価公示・地価調査・相続税路線価・固定資産税路線価)
・衛星画像確認機能
まとめ
ブルーマップは本来の用途から、値段設定が高く、データの使用にも様々な制約があります。不動産の詳細情報が不要な場合は、通常の住宅地図を使ったほうが良いでしょう。地番を調べるだけなら、ブルーマップは必要ありません。また、業者向けにはゼンリンが様々なサービスを提供していますので、業務効率化に検討されてはいかがでしょうか。